Home WORKS[houses] F邸 2009

[houses] F邸 2009

所在地:神奈川県横浜市
用途:住宅
構造:木造2階建
施工:(株)高豊工務店
祖母の住む母屋に隣接し、夫婦と子供二人、犬一匹が暮らす新居である。正方形に近い平面構成は、木造の構造体を明快かつ合理的な形体にまとめ、単純なプランでありながら豊かな空間を生み出すことを狙った。外観はシンプルで美しい古典的なモチーフを用い、経年しても陳腐化しないものを目指した。円弧を描く屋根は小屋裏に施主のコレクションを収蔵する趣味の空間を内蔵している。軒の深い屋根が陰影を生み、建物を経年劣化から守る。 1階は玄関から居間・キッチンまでひとつながりの空間で、特徴的な土間空間が伝統的な日本家屋をも連想させ、暮らしに豊かな場面を与えるだろう。土間の機能は玄関・サンルーム・ダイニング・キッチン・家事室とつながり、犬との暮らしにも一役買う。もうひとつの特徴的空間である2階のインナーデッキは、電動ルーバーシャッターで開け閉めできる半戸外空間で、シャッターを開け放てば外部テラスとなる。気候の良い季節にはもうひとつの居間として利用できる。 外壁と内壁の仕上げには天然の水硬性石灰を用いている。日本では馴染みのない水硬生石灰はフランス産の消石灰を用いたローマ時代からの自然素材で、横浜国立大学のベンチャー企業であるクスノキ石灰㈱が研究開発し販売している材料である。浴槽まわりの立ち上がり部分にはモロッコ石灰を用いた。左官仕上げに石鹸水と石で磨くタデラクトという工法だ。左官仕事の魅力は現代の住居にとっても重要な要素になり得ると考える。仕事の関係上、家を空けての旅行などできない一家にとって、日常における非日常的空間が直ぐそこにあることが重要だと考えた。南の国のビラを連想させる空間を随所にちりばめた『身近なリゾート』がこの住居のテーマである。



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